インカレロード
【距離】13.4km×13周 174.2km
【場所】大町市美麻地区
【リザルト】12位/171

二年前の修善寺で行われたインカレで谷さんが14位でゴールし、全然何もわからないなりにカッコイイと思ったし、感動した。自分も同じ舞台で活躍したいと思った。谷さんも一回生の終わりから入部し、結果を残しているので自分にも出来ないことはない。そう証明してくれた場でもあった。

目標は20位以内でゴールし大学ポイントを獲得すること。昨年のインカレは120km程でdnfになった。何も貢献することが出来ず、悔し涙で終わった。

昨年のインカレや最近のレースでの反省点として
・170kmも走る割に食べる量が少なかったこと
・位置取りに気を使いすぎ、無駄足を使い勝負所で千切れてしまったこと
・レース当日にピークを持ってくるように調整できなかったこと
対策として
→前日の夜ご飯から意識的に炭水化物を取った。(前日夜:茶碗4杯、当日朝:茶碗3杯)、また、前日には2Lのアクエリを飲んだ。レース30分前にはミニ粒あんパンを4つ食べた。レース中は一周回に一回以上ゼリーを食べた。食べる量が多い分時間もかかって宿でご飯を食べているときは新主将でもある西田に「まだ食べ終わらんの、遅いねん」みたいな顔で見られた。
→ツールドシンカラでの良いイメージを基に集団後方で休むイメージ。しかし、2つ問題がある。1つは今年からコース変更により180度コーナーが加えられ集団後方にいたら鬼のように詰まって、立ち上がりでは死ぬほど踏まされてしまうこと。2つ目は前方のアタックに反応できないこと。1つ目に関してはコーナー前で詰まるのを避けるために集団から離れてコーナーに突入することで詰まることなくなく通過し、立ち上がりではもがかずに淡々と追い登りが終わるまでに追いつくことで対処。コーナー前では離れすぎて集団と自分との間にバイクに入られてしまうこともあった。また、集団と間をあけて登ることは自分の走りたいラインで走ることができる。2つ目に関しては先頭はどのチームがひいているか見るようにしておくこと、逃げとのタイム差を意識すること、アドバイスに従うことで対処。
→「強度は高く、時間は短く」、「レース当日に一切の疲労を持ち込まない」を意識して2週間前くらいから徐々にボリュームを落としていった。テーパリングとかピーキングとかいうやつ。インカレトラック期間でいい具合に合宿の疲労を抜くことが出来たと感じている。1週間前には学生時代には一度も勝てなかった谷さんとの練習で勝つことが出来、自信になった。

レースレポート

~スタート
身体がきっちり動くようにと意識しながら、青山トレーナー式ストレッチを行った後、5分くらい軽くローラーに乗って脚が回る感覚をつかむのと体を温める。そのあとはリラックスしながら無理やりあんパンをお腹に詰め込む。スタート位置は黄、西田、福元が30分前くらいからとっていてくれ、遅くいっても前の方に位置どれた。位置についてガーミンの電源を入れると残り充電22%。大阪でしっかり充電してきたはずが出来ていなかったみたい。パレードランで180度コーナーを抜けて道が広くなったところまで行って一旦止まってから再スタート。この止まったタイミングは小便タイムでもある。そういえばパレードラン中に自分より後方で10人くらい巻き込まれたであろう落車が起こっていた。巻き込まれなくてよかった。

1~5周回
いよいよリアルスタート!単に170km走るだけでもしんどい、それがインカレのレースとなればえげつないことになるのは見えているので、1周目から徹底的に省エネを意識する。1周目は特に何もなく、2周目。180度コーナー越えてからの登りが異常に速かったが、立ち上がりは一気に踏まずに淡々と踏んで集団後方でクリア。途中きっしゃんと尚弥をパスしたが二人ともかなりきつそうに見えた。10名くらいの逃げが決まった。逃げが決まって落ち着いてるうちは集団後方でひらひら、登りではケイデンスを高くして、下りでは体を小さくして足を使わず少し前に上がり、コーナーの立ち上がりで集団最後方に戻るということを繰り返していた。60kmほど走ったにしては足に余裕があるし、周りをみる余裕もあり今日はいけるぞと思った。沿道の応援も後押しして走っていてすごく楽しい。逃げとの差は3分程度だった気がする。足の残り具合8/10。

後ろに浅井さんがいるといことはここが集団最後方。

 

 

5~9周回
5周目完了くらいに第一コーナーで尚弥に「そろそろ前上がっといたほうがいいですよ。」と言われたので前に上がっていく。言う通り徐々にペースが速くなってきていた。周りの選手は自分よりしんどそうだしまだまだいける気がしていた。7,8周目で徐々に逃げとの差は縮まっていた。逃げの中から京産の中井選手が単独で逃げ始めた。タイム差は45秒差くらいまで来ていた。集団の人数も少しづつ減ってきている。足の残り具合6/10。

前に上がっている。

 

 

9~13周回
どのタイミングで逃げを吸収したかわからなかったが、段々とレースの動きが激しくなってきた。ここからは勝負を決めるアタックになるので、前半とは違い足を使うことを厭わないようにした。9,10,11周はアタックが激しい。特に補給所の登り。「ここで遅れる=レース終了」と考え、後先のことは考えずに足を使ってついていく。アタックに反応しきれず遅れそうになることもあったが、昨年の山形村で負けた京大の選手が反応しているのをみて「また負けて良いのか」、「最後のインカレや」と言い聞かせて、力を振り絞る。激坂を上り、s/f地点を越えて一番耐えないといけない所にOBの方々、監督がいて応援してくれているので頑張れる。アタックの結果、先頭19名、後方16名という形に分かれた。先頭集団でも分裂させるようなアタックもあったが下りで数名でローテして追い付く。尚弥と西田で合宿の早朝練でやった下りの高速ローテの経験が活きる。しかし、下りで踏んだ分登りがきつい。長い登りの後半の道路に赤い縞が出てくるところが一番しんどい。ダンシングでごまかすとつりそうになる。サドルの後ろの方に座って使う筋肉を変えたりして対処。ここさえ耐えてしまえばあとはなんとかなる。足の残り具合1/10

10周目遅れかけ。このあと最初のコーナーで追い付く。

 

 

 

最後の周回で監督の前を通った時に「18位集団!いけるぞ!」と言われ泣きそうになった。目標としていた20位以内がもう目の前に来ていることを実感した。しかし、最後まで気を抜いてはいけない。美山のレースの時の落車の記憶があるから。焦って落車してはいけない。最後まで丁寧に。自分に言い聞かせながらゴールに向かっていく。チェーン落ちも命とり。最後アウターからインナーに入れる変速も焦らずにこれまで通りと言い聞かせて願うようにインナーに入れる。最後の激坂の勝負になる。あの激坂をふもとから行くと意外と長いので自分がいける距離を逆算しつつ踏む、本部前のストレートに帰ってきたときは感極まった。何位かはわからないけど確実に20位以内でゴールすることが出来た。

最後は泣きながら走ってた。関大の人達だけがこっちを見てる。皆笑顔。ナイスな一枚。

 

 

ここまで本当に遠かった。長かった。辛かった。怖かった。やっと目標にしていた順位に届いた。みんなが応援してくれた。嬉しかった。去年のインカレから一年、20位以内でゴールしている姿から逆算して、然るべき行動をしてきた。友達からの誘いも断り、バイトは一か月以上休ませてもらい、この日の為に犠牲にしてきた。色々なことを考えて涙が止まらなかった。

去年は120kmでおろされた。いわゆるそこら中にいるちょっと走れる選手だった。この1年、海外のレースを経験したり、就活もあるなかなるべく多くのレースに出場したりして、自分は何が強くて、何が弱いのか考えた。レースに勝つためにはどうすればいいのか考えた。そして最後にインカレロードという最高の舞台で実行した。結果、ロードの総合成績では関西大学として8位に入ることが出来、トラック・ロードの総合成績では15位になることが出来た。関西大学が掲げる”Think&Act”、”考動する”ということを体現することが出来た。2回生から自転車部に入部したが、誰かに言われて練習した日はない。自分で考え、行動させてくれる環境が関西大学体育会自転車部にはあった。素晴らしい環境で自転車に乗ることが出来た。関大自転車部に入って良かった。

最後の集合写真。

 

 

長々と書きたいことを書きましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。一人じゃここにたどり着くことは出来なかった。自分のやりたい練習に付き合ってくれるロードメンバー、サポートしてくれたメンバー、マネジャー、遠方から応援に駆けつけて下さったOBの方々、監督、普段から活動を支えてくださっているスポンサーの方々、本当にありがとうございました!!

優勝した野本選手本当におめでとう。

―4回生 久保田悠介―