三回生福元です。今回はインカレについてお話しします。今回の会場は松本市美鈴湖自転車競技場、種目はスプリント、チームスプリントでした。調子は体感で80%でした。
インカレということもあって会場入りは二日前から、帯同していただいたトレーナーの青山さんから針で筋肉をほぐしていただいたりバンクの感触を確かめたりしました。僕自身はこの時万全の状態でいたつもりでいたのですが脚を診た青山さんから筋肉が固すぎるとご指摘を受けました。実際に針を打っていただいただけでかなりパフォーマンスが変わりました。

当日最初の種目は自分のスプリント予選、最低目標は10秒台で無理のない目標だったのですが結果は11.212で予選落ちでした。上バンの掛かりが良すぎてペースを上げすぎたところで駆けおろしに腰が入っていませんでした。今年の西日本学生選手権でしたようなレベルの低い駆けおろしでタイムこそ自己ベストと同じくらいですがいつもの調子では11.5も切れないような論外な走りでした。
二日目はチームスプリント、今度こそ絶対に失敗の許せない種目で西田がなかなかストラップをはめ終えないことに肝を冷やしたこと以外は問題なくこなすことができました。スタートはいつも通りで1周目後半は西田がいつもより勢いが少し伸びていました。自分はMAXスピードで小西さんに繋ぐことが仕事で最大速度を落とすことなく後半でペースを上げきることができました。しかし結果はふがいないもので小西さんの1㎞の記録を超えることができませんでした。正直自分も西田も至らないレベルの走りで悔しい気持ちでした。
その後の団抜きでは機材の準備が遅く、またちゃんと機材をいじれる者も少なくそれぞれの段取りが全くこなせていなかっため、チームとして各々の責任くらいは果たせるようにならなくてはいけないなと感じました。しかし団抜きそのものは決められたタイムをチームでこなし、追い抜く際のトラブルにも負けず目標タイムに近い数字を出したのはすごかったです。
トラック最終日では全ての種目を観察したのですが、リスクを冒してでも攻める選手、チームが多くそれで利を得る選手もいたのですがほとんどは降格や失格となっていました。その後花谷トレーナーと青山トレーナーから僕の体の弱い部分について相談をしてかなり問題だと感じていた悩みを解消することができました。
最終日のロードでは最多の5人が出場となりましたが個人評では完走すると思っていた小西さん、久保田がDNFとなりました。

全ての種目を終えて最初に浮かんだ言葉が「困ったな」でした。正直ここまで歯牙にかけられない結果になるとは思いませんでした。谷さんが残してくれた大学得点もあっけなくなくなってしまいました。チームで全力で戦ってこの結果はとてもまずいです。また今回ではっきり感じた事ですが、他のチームとの実力の乖離が自覚できていない選手が多いです。当然試合に出ていない選手がいる以上そうなることもありますが、今回の結果から悔しかったからああしたい、こういう選手なるというのは当たり前のプロセスですが、その目標になる選手がどれだけ苦しい思いをして強くなったかを想像できていないままそれをしている選手が多いと思います。だからいくら目標を掲げても監督のノルマを前にするとほとんどが残りません。色々理由はあると思いますがそんな理由があるなら最初から口にすべきではないと思います。
これは僕自身もそうで、去年の僕が掲げた目標がインカレで二回スプリント勝負に勝つことでした。ですが今を見れば10秒台すら出せない始末です。そういった点で小西さん、久保田、山神、手嶋はその目標に対して決めたノルマを確実にこなしています。そんな彼らでさえインカレに据えた目標を達成できませんでした。そう思うと本当に甘いと思います。口ばかりで来年も終わってしまうのではないかという危惧もあります。正直僕自身がここまで言えた義理ではなく、余計なお世話だと思います。それでもこれは絶対に直さなくはいけなく僕自身、身をもってやらなくてはいけないと感じました。

そのためにこのインカレを通して感じた僕とスプリントで2回勝った選手の違いがあります。それは安定感、持久性、筋力、練習の質と量、経験値でした。

まず安定感ですが、どの選手も安定して自己ベストかそれ以上のタイムを出していました。そして一周駆けを基本とした戦術で奇をてらったものは無く流れとして試合をこなしていました。そして特に感じたことは反則が少ないこと。コーナーから鋭角にスピード落差の大きい駆けおろしをしてもブルーバンドに落ちない。そして先述したように奇をてらうことが無いため無理をした走行に賭けません。対して5-8位決定戦は男女タンデム問わず反則が多く見られました。ケイリンでは予選や敗復で警告や失格のアナウンスを聞きました。どちらもあとに引けず実力差が大きくなりやすいと考えられる対戦でした。

またスプリンターとしての持久性が段違いでした。ベスト4以上のスプリント対戦で残りハロン駆けで仕掛けた試合は全て10秒台、一周駆けで11秒前半以上でした。どちらも最低でそのタイムです。これを3回戦こなし決勝で戦う持久性は闇雲な練習では決して身につかないと痛感しました。

筋力は挙上できるウエイトの重量が足りていません。僕の体格なら体重の最低150kgのデッドリフト、スクワットが必要です。僕が知っている選手は140kgのスクワットを何度も挙上します。

そして練習の質とはトレーニングで集中して負荷を上げられるかとそれを反復してできるかです。チームスプリントでベスト5に入った他大学のゼロスタ練習を見る機会があったのですがタイムやギアの重さが全く追いついていませんでした。僕の目標のベスト4に及ばなかった大学がこれでも僕は今回夏合宿で試合を想定したギアが疲労に負けてあまり使えませんでした。ベスト4に残るだけのスプリント力、持久力を得るには当然それだけの力は必要だと感じました。もちろん先述した一周駆け3本とも11秒前半を出す筋力、持久力を得るための練習すらもできないと思いました。筋力で述べたウエイトの負荷も同様でそれだけの負荷を行えないだけで大きな違いとなってしまってます。

そして経験値とは試合の数とその相手です。勝てばたくさんの数、相手と戦えます。僕に10秒前半を出す力があったとしても同じく10秒前半を出す相手と初めて相対した時に必ず勝てるようなセンスはありません。ウィンタートラックといったレベルの高い試合に挑戦してと考えています。

これらの違いは独立したものではなくお互いに繋がっていると思います。違いから見つけた課題をどれも抜けることなくやり通さなくてはいけないです。

そして今回の僕自身の走りに感じたことについてですが、頑張ったけど0点です。まず万全であったつもりがハムストリングが固すぎて本来の性能を出せないどころかその感覚に慣れてしまったせいで調子が出し切れていないことにさえ気づいていない。いつも通りの走りで10秒台を狙えたのにそれすらできていない。重ねて論外だと感じました。この時のために調子を合わせて挑んで、しかも10秒台という自分にとって次のステップで上がろうという試合が単純なミスで終わってしまったのが本当にもったいない、悔しい。予選さえ残ればスプリント上位陣と戦うチャンスが得られたのをみすみす失ったわけだから今後のためにもならない。
何度も言いましたが、今のままではインカレでは戦えないです。一回生の頃から順当に成長してきて今でも伸びしろはあると感じていますが、このままだと来年もろくに戦えないまま終わります。四回生になって今まで以上に成長しなくちゃいけないのは難しいですが悔いを残したまま絶対に終わりたくないです。

長くなって申し訳ございませんでした。僕の最終的な目標は2019年の全日本選手権でベスト8に入ることです。そしてそのためにはインカレでベスト4に入るだけの実力は絶対必要だと考えています。今回で実力差に悔しい思いをしましたが目標は下げずに挑戦していこうと思います。

最後に今回応援してくださったOB、マネージャー、ご父兄の方々、そして家族へ本当にありがとうございました。

 

 

ー3回生 福元啓太ー